令和3年度文部科学省予算案(高等教育局)について

令和3年度文部科学省予算案(高等教育局)について

こんにちは、きっかわです。今回は報道発表資料となる令和3年度文部科学省予算について、紹介したいと思います。

https://www.mext.go.jp/content/20210113-mxt_kouhou1-000012135_08.pdf

令和3年度予算案が発表されました。

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「新たな日常」の実現や、Society5.0時代に向けて、我が国の成長・発展を牽引する高等教育への転換のため、 「経済財政運営と改革の基本方針2020」(令和2年7月17日閣議決定)等を踏まえ、「学生の学びの確保」、 「教育の質向上」、「教育研究基盤の強化」を一体的に推進する。

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という目的で、予算案が作成されたとのことです。私は私立大学に勤める身ですので、特に5枚目のスライド「私立大学等の改革の推進等」に注目しました。

全体の予算感は4,094億円と前年同様になりました。経常費補助は2,975億円で、2億円の減となりました。一般補助が13億円増えて2,975億円、特別補助が15億円減って219億円となりました。

私が一番疑問に思ったのが「私立大学等における数理・データサイエンス・AI教育の充実 7億円」です。これが享受できる大学は果たして何%なのだろうか?という疑問が浮かびました。あえて独立させなくても良かったような気がするのですが、中央省庁のパワーバランスが働いたのでしょうか。

大学に勤める人間がこの予算案をみて感じることは、新型コロナウイルス対応のための予算を割きながら、高等教育局全体での予算は膨らまないように腐心したのだな、という印象です。

文科省でなく財務省主導で予算が作られるのは周知の事実ですが、令和3年度は「教育も重要だが、経済をなんとか回さないと…」という財務省の思いが透けて見えます。

経済産業省関連の予算は大盤振る舞いです。私は中小企業診断士としても活動予定なので、そちらの資料もよく見るのですが、新しい補助金や既存補助金の補助額増が目立ちます。

あらゆる業界において、コロナ前には戻らないんだな…という気持ちになります。変化するのは好きですが、最近おじさんになったのか、古き良き時代のものが失われると寂しい気持ちになります。

大学業界では各所で「生き残るための戦略が大切だ」と叫ばれていますが、私は「全員が生き残ることはできないのではないか」と感じています。自大学も含めて。

遠隔授業で学び方が変わりました。キャンパスの存在意義が不明確になりました。必然、大学という存在も意義を再検討しなければならない時代になりました。「ただ学位をあげる場」になるのかもしれません。いつでもどこでも学べる時代に、施設設備や年齢の高い教員を維持するコストを支払い、学生にそのコストを押し付ける。そんな見方をされる時代が、すぐそこまで来ています。組織運営はガラス張りです。消費者は見抜く術、情報を持っています。

私自身も大学のあり方の答えはまだありませんが、消費者を満足させるための行動ができているか、日々研鑽が必要な時代になったのだな、と感じます。

文科省の予算獲得を糧に生きるのも一つの手段です。それとは別に、自大学が生き残る手段、他大学を喰らうような手段を、懐刀として磨き上げていきたいものです。

それでは今日はこの辺で。

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