こんにちは。きっかわです。この記事では現役大学職員が、2020年度の私立大学等改革総合支援事業について説明します。
今回は未来の話です。私立大学等改革総合支援事業の設問がどのようにシフトしていくか、という考察をしたいと思います。あくまでも予測なので、外れたら笑ってください。ただ、根拠となるデータを本記事に残しておくので、皆さんも肩肘張らずに「今年はどうなるかな」とワクワクしながら予測をしてみてください。そして、業務に生かしていただければ幸いです。
○令和元年度の実績
まずは過去の資料を確認してみましょう。文部科学省のHPに令和元年度私立大学等改革総合支援事業の実績があります。
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/002/002/1340519.htm
「私立大学等改革総合支援事業委員長所見」という項目があります。クリックするとPDFが開きます。特に平成30年度の初見について注目いただきたいのですが、内容は、
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選定に当たっての所見
タイプ3「他大学等との広域・分野連携」については、タイプ1、2及び4と比べて申請校数が少なかったが、その原因は、調査項目に示した、他大学等と連携した高度な教育や質保証に向けた取組の実績がある大学等が少なかったためと考えられる。また、それに加えて、申請校のうち、本タイプによる支援対象として十分な得点を得た大学等が限られていたことから選定校数が他タイプと比較して少ない結果となった。その他のタイプにおいても、一部に実施率が極端に低い設問もあった。引き続き、各大学等の取組に期待するとともに、事業の実施主体たる文部科学省及び日本私立学校振興・共済事業団において、より有効な設問の設定に意を用いていただきたい。
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文部科学省及び日本私立学校振興・共済事業団への期待
来年度は、人材育成の観点(高度な教養と専門性を備えた先導的な人材、具体の職業やスキルを意識した高い実務能力を備えた人材、世界を牽引する人材)を踏まえ、各大学における強みや特色を活かした機能・役割の明確化をより促進するため、タイプの再編を行う方向であるが、制度設計に当たっては、
・調査票においてより有効な設問を設定するよう意を尽くすこと。
・地域社会への貢献については、各大学が単独で行う地域連携の取組及びプラットフォー ムを通じた取組の双方が活性化するよう配慮すること。
・各大学等において、申請までに十分な準備が可能となるよう、各タイプの趣旨や選定方法について早期に周知すること。
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と、厳しめの注文である文言が目立ちます。結果、令和元年度は意味不明な設問が減りました。このことから、令和2年度は奇抜な設問はないと思われます。
○衛生管理の向上
こちらは感染症対策についてです。別口での補助金も導入されていますが、当然ながら恒常的に費用が発生する案件なので、特別補助として増額されることが予想されます。集会形式のイベントやセミナーの開催が加点要素になっているタイプもありましたが、今回は遠隔形式の開催での加点が認められるのではないでしょうか。
○入学者選抜の制度設計
共通テストは予定通り令和2年度は実施されることで、話が進んでいます。このあたりの入試制度について、文科ガイドラインに応じた制度設計がされている大学は加点となる設問が作られているのではないでしょうか。
○グローバル化関連の設問削減
やはりこちらも昨今の事情では加点にならないものと思われます。遠隔での交流について、加点が認められるケースもあり得ますが、全体としてはグローバル化を推進することはいったんストップという傾向になりそうな気がしています。
とりあえず思いつくままに記載してみました。今後、情報発信があったり新しい傾向が見えたときは、本記事に追加する形でお知らせしていきます。