オンライン講義の上限について

オンライン講義の上限について

こんにちは。きっかわです。今回はオンライン講義の上限について、考えます。

 

先日、オンライン講義についての記事がありましたので紹介します。

 

https://univ-journal.jp/42773/

出典:大学情報ジャーナルオンライン

 

__ここから引用___

 

各私立大学は・・・授業のオンライン化を進めているが、

 

 

大学設置基準では遠隔授業で取得する単位数の上限を60単位と規定している。

 

 

単位数上限の緩和を求めた。

__ここまで___

 

とあります。該当する法的根拠は、大学設置基準です。

 

~大学設置基準~

 

第二十五条 授業は、講義、演習、実験、実習若しくは実技のいずれかにより又はこれらの併用により行うものとする。

2 大学は、文部科学大臣が別に定めるところにより、前項の授業を、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させることができる。

3 大学は、第一項の授業を、外国において履修させることができる。前項の規定により、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させる場合についても、同様とする。

4 大学は、文部科学大臣が別に定めるところにより、第一項の授業の一部を、校舎及び附属施設以外の場所で行うことができる。

 

 

(卒業の要件)

第三十二条 卒業の要件は、大学に四年以上在学し、百二十四単位以上を修得することとする。

5 前四項又は第四十二条の十二の規定により卒業の要件として修得すべき単位数のうち、第二十五条第二項の授業の方法により修得する単位数は六十単位を超えないものとする。

 

~~

 

このことを示しています。60単位に上限があるのは法律で定められているのですね。私も大学職員になるまで知りませんでした。

 

60単位上限がある理由は、教育の質を担保するため、と言われています。「ぜーんぶオンラインにして、大学があるかないかわからないような組織に、大学という名前を使わせることは出来ませんよ」という中央省庁の考え方です。

 

中央省庁の考え方も、一理あります。賢い人は制度の裏を突くこともありますので、厳格な決まりはある程度必要である、という論調が支持されています。現場で働く教職員も、「全部オンラインなんて無理だよね」と思っているのが多数派です。

 

ただ、私としては「オンライン無理」を当たり前にしたくないなという思いがあります。いま、ミネルバ大学というキャンパスを持たない大学が、脚光を浴びています。10年ほど前までは、考えも及ばないような大学運営がなされています。ぜひ検索してみてください。

 

事務職員として、今までのやり方が通用しないのは、手間が増えてネガティブな気持ちになることはあります。でもやり方を変えて大学全体の利益となるなら、改善するのは良い事だと思います。自分たちの生産性を上げるためなら、改善は進めていくべきと考えています。

 

講義のオンライン化が進まないのは制度のせい、というのが多数派の意見ですが、私は制度が変わってもオンライン講義は進まないのかもしれないな、と思っています。なぜなら現場が手間が増えることを望まないから。

 

このあたりは下っ端としてはつらいところです。同じような境遇の方がいらっしゃると思います。今は知識を蓄え、自大学の仕組みを理解し、無駄をあぶり出し、改革の時が来るのを爪を研いで待つ、という手段で、自分を磨いていきましょう。

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