こんにちは、きっかわです。この記事では現役大学職員が、大学職員の手続き業務について説明します。
大学は調査に回答しなければならないことがとても多いです。例えば、「学校基本調査」です。以下は文部科学省のページです。
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/sonota/1355787.htm
こういった調査はいままでご紹介した寄附行為などとは違い、省令で定められているものではありません。ただ届いた通知文書を見ると、回答が義務であると思わせる旨の言葉の強さで依頼があります。私たちも補助金をもらっている立場なので、責務は果たす思いで、いつも誠実に回答しています。
この他に、産学連携やインターンシップや留学生や…いろいろな機関からいろいろな調査依頼があります。全てに回答しているわけではないですが、7割以上は返答していると思います。調査回答で手一杯、繁忙期という時期があります。本当に大変なのですが、変な組織だなと感じる瞬間です。
これに加えて、学内手続きについても書類が発生します。学内の理事会など重要会議資料作成もあります。理事に事前発送したり、資料印刷承認のための捺印まわりがあったり、事務屋の仕事ここに極まれり、というのが正直な感想です。誰かがやらなければならない仕事なので、意義はあるのですが、時間は取られすぎにならないようコントロールして業務にあたっています。
申請ありき、承認ありきで物事が進んでいくので、責任の所在が下っ端職員に行かない点は良い事だと思うのですが、集団の凝集性が高まることにより集団浅慮が生まれてしまうことがあります。何をするにも上司の判断待ち、という人間が生まれやすい環境かな、と感じます。そのため自分自身で「この手続きはスピード感が大事だな」という時は、積極的にスピード承認を得られる根回しをしていく必要があります。「スピード感をもって仕事すると一目置かれる」というのも大学職員の面白さかなと思います。
事務職員の中には、このデータ系というか、調査回答を正確に行うことが仕事と勘違いしている人がいます。誤りなく調査を回答する仕事は、高度な仕事だと思っている人がいます。もちろん大切ですが、ベテランで給料をたくさんもらっている人の仕事が、チェック係というのも…その人が良いのなら何も言えませんが、生産性の高い仕事を生み出してほしいというのが本音です。
蛇足ですが、総務省がe-statという電子統計窓口を整備しており、この中に学校基本調査の結果も格納されています。日本という国の統計データ整備に寄与できる仕事、という点にやりがいを感じる方もいるのではないでしょうか。
e-statは便利ですよ。私は提案書を作るときに生データが欲しいときは、ここをよく使います。あと、自分がニュースで知った情報が本当に正しいかどうか、という時にも、データで主張を補完できているか、破綻しているかをチェックしています。
データを集める、入力するのは特異な業界なので、集まったデータをどう活用するかがキモです。事務職員として提案書の補強にしていければ、成長につながるのではないでしょうか。
まとめ
・大学は補助金をもらっているので、調査回答などの依頼がたくさんある。
・膨大な数の調査依頼がある。手続きもあり、繁忙期に重なると大変。
・調査回答だけが仕事じゃないので、生産性の高い仕事をしていく必要がある。
・統計は回答して終わりだともったいない。活用してナンボなので、自身の提案書などに活かしていこう。