木を見て森を見ず、森を見て木を見ず

木を見て森を見ず、森を見て木を見ず

こんにちは、きっかわです。今回は仕事の取り組み方について、目の前の仕事に取り組むことは大切だということと、経営者の視点を持って仕事をすることは大切だということの二点について紹介します。

皆さんは毎日、ひたむきに仕事に向き合って業務に取り組んでいることと思います。一方で毎日、大小のトラブルが発生し、その対応に追われていることでしょう。

トラブルは自身の視野を狭くしてしまいます。具体的には、トラブルが起きないようにするためにはどうしたらいいかと考えるよりも、自分が被害を受けないためにどうしたら良いかと考えるようになり、逃げるような仕事の仕方をしてしまう事があります。

皆さんの中にも、窓口で学生に対応する時、学生の気持ちを考えずマニュアル的な対応で済ませてしまった経験もあるかと思います。事務職員の役割は、トラブルが発生しない仕組みを考えることですが、ミスを先延ばしにしてしまう対応となりかねません。トラブルを発生しない仕組みを構築し、仕組みを浸透させる役割を担うことが大切です。

一方、経営者の視点を考えてみます。経営者は日々数字を追いかける仕事をしています。大学で言う数字とは、収入であり支出であり、関連して入学志願者数も管理しています。数字を追いかける仕事のをしている経営者は、学生が窓口でどんな悩み事をして打ち明けているかは情報として入って来ません。

そして窓口の対応をする職員もまた、経営者の仕事の姿勢とは見えません。姿勢が見えないのが悪いと言うことではなく、それぞれの立場でそれぞれの仕事の役割があります。当然のことです。現場のことをわかってない経営者だ、と言う愚痴はよく聞かれると思いますが、実は経営者は現場を見る必要がない仕事をしているので、やむを得ないのです。

私はどちらかと言うと現場に近い部署に属しているので、経営者は私の仕事すべてを把握していないと思います。ここで「上の人は何も分かっていない」と打ち明けて分断を作るのではなく、「私自身が経営者だったらどうするか」と経営者の立場をイメージしてみると、違う世界が見えてきます。限られた予算で大学の現場を改善するとしたらどこに着手するか、というのを考える癖をつけると、今後の成長スピードが早くなります。

現場仕事が木を見る仕事、経営者の仕事は森を見る仕事と考えます。現場の自分が森を見ることができるようになれば、目の前の現場仕事に対してどのような収支改善効果があって、どのような課題があるかが考えられるようになります。どうしたら解決できるのか、どうすればもっと良くなるのかを考え続けられる人材は、組織にとって貴重です。

経営と言う例を出しましたが、管理職と一般職と言う切り分け方でも同様に考えられます。すなわち、教授会等の会議に参加する課長と、会議資料を作成する自分と言う立場の違いがあると仮定します。自分は会議資料を作ってしまえば仕事は終わりなのですが、上司の仕事は会議が開催されてからが本番です。会議資料をもとに議論が進むわけなので、資料に対しての責任感が強いものとなります。資料作成をする一般職は、「早くこの資料作成から手を離したい」と完了させることが目的になる可能性があります。私たちの業務に対する姿勢について、どこか甘い気持ちで業務に当たっていないか注意を払う必要があります。

ここで立場を変えて自分が課長だったと考えてみます。会議に参加するとなれば自分が発言をするための資料となるわけで、責任重大となるでしょう。必然、資料作成のクオリティーも高めようと自発的になっていくと思います。子供の頃に道徳などで学んだ相手の気持ちになって考える事が仕事の場でも生かされるというわけです。

自分の経験になってしまいますが、上司から資料を作って欲しいと依頼されたときは、自分で勝手に先読みして仕事を進めています。例えば、ある会議の資料1を作ってほしいと言うお願いをされたとき、私は「自分ですべての資料を作成できないか」とか「自分が会議の司会だったらどうするか」とか「上司が会議に参加しなくても会議が進めるような方法はないか」といった「みんなが楽になるために」という精神で、仕事を進めるよう心がけています。自分がその会議の主幹になってやる、という位の勢いで仕事を巻き取っています。

「楽したい」と思う気持ちもありますが、結局誰かがやらなければならない仕事だし、「きっかわがやって」と結局お願いされるので、「最終的にやらされるなら、言われる前に自分からやってやる」と言う方が相手にとっても気持ち良いだろうし自分にとっても成長の機会にできます。また自分から仕事を受けに行くことで、時間のゆとりを持って業務に着手できるので必然的に心の余裕が生まれクオリティーの向上につながります。

資料作成の仕事も、どの規程に紐づく会議の資料なのか考えながら業務を行なっていきましょう。自分が一本の木=現場仕事だとして、どうやってその木を増やしていけるか。自分自身が森になっていく、すなわち経営をしていく気持ちがあれば、どんな不測の事態が起こっても、トラブルが起こっても動じなくなるし対応力が身に付きます。その経験は必ず自分自身のキャリアに結びついていきます。どこでも必要とされる人材になることができます。

人の仕事を被ってばかりとか、自分ばかり業務量が増えていくという気持ちが生まれるのも理解できますが、うまく自分の成長の糧にできるようにしていくほうが心身ともに健全です。嫌々やるのではなく、自分を高めると言う気持ちをベースにして仕事をしていくと、仕事を楽しめてるのではないでしょうか。

今回は少し精神論めいた話になってしまいましたが、自分から主体的に仕事をしていくと周りから頼られるようになります。頼られると自分のもとに情報がどんどん入ってきます。情報がどんどん手に入ると、より良い仕事につなげることができます。組織で生きていくと決めている人もいらっしゃるかと思います。仕事を進める上で大事なのは情報です。どんどん仕事を取っていって、情報をどんどん手にして、自身が経営者のつもりで振る舞って大学をより良いものにしていきましょう。

それでは今日はこの辺で。

 

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