組織におけるジェネレーションギャップの埋め方

組織におけるジェネレーションギャップの埋め方

こんにちは、きっかわです。今回は「ジェネレーションギャップ」と呼ばれる組織の壁と、その打破の方法について紹介します。

私は今30代半ばで、課員は30代前半の人が2人です。課長は50代後半にさしかかかろう、という年齢構成の部署です。一般職員と管理職では親子ほどの年齢差がある形です。

ジェネレーションギャップなんてコミュニケーション取って仲良くやっていればうまくいくんでしょ、という考えの方は、気をつけてください。相手はそう思っていないかも。

そもそもジェネレーションギャップは、なぜ発生するのでしょうか。

第一に、どの世代にも共通する事ですが、社会人生活を積み重ねるほど、自分の経験・成功体験をもとに、さらに上手に仕事を進めていくことができるようになります。それは良い事なのですが、年齢を重ねると、自分流のやり方に固執する可能性が高まります。

第二に、自身が若手中堅として働いていたときに、どのような環境であったかが、その後の自分の働き方を形作っていきます。大学業界で言えば、我々の管理職世代が若い頃は人口ボーナス期だったので、努力せずとも志願者数は右肩上がりの左うちわです。大学が学生を選抜する立場だったわけです。

最後に、歳をとるほど、自分のやり方を変えることはできにくくなります。カイゼン=「自分の仕事のやり方を否定された」という思考に陥るのです。大学業界のような、前例踏襲が当然という風土においては、特にそうです。

以上の前提が50代からの世代には埋め込まれています。自大学が定員割れ寸前であるという事実が、信じられないというか、現実として向き合えないのです。さらに後数年で彼らは定年です。事実を受け入れなくとも「まあ、逃げ切れるし」と考えるのが「普通の」感覚ではないでしょうか。ずるいわけでなく、当然の思考経路だと思います。

それでも我々の世代は50代の彼らに働いてもらわねばなりません。なぜか?管理職の椅子に座っているからです。逃げ切れるのは分かったけど、まだ隠居には早いよ、と暗に伝えなければなりません。一方で管理職世代は「もうあと数年で俺は引退なのだから、面倒なことは押し付けないでくれ。俺がいなくなった後ならどんな改善提案でもやってくれていいから」という意識で働いています。口には出しませんが、上述のような動機付けがあります。

以上のように、ジェネレーションギャップは「生まれて然るべし」という環境なのです。大学業界に限らず、どの組織でも発生します。聖人君子の管理職が稀にいるのですが、その組織は恵まれていると認識した方が良いです。

ここからが本題ですが、ギャップを埋める方法について考えてみます。

ギャップを埋めるのに1番の方法は、共通目標を持つことです。本学の場合で行けば「教務部を活発な意見交換ができる部にしたい」とか「課員の業務負担を平準化したい」とかがあります。

逆にいうと、共通の目標がないと「あの人は言われたことしかやらない」とか「指示が曖昧で、このまま発信してしたら教員や学生が混乱する」とか、大小様々な不満が発生しやすくなります。業務に対しての不満ならまだしも、パーソナリティへの不満まで発展してしまうと、溝を修復するのはなかなか大変です。

この辺りの学説はバーナードの組織論でググってみてください。参考になることがあると思います。

30代というポジションは下の世代の意見を聞きつつ、管理職には「若手はこう考えているよ」と言語化して伝える仕事も大切になっています。自身が円滑な人間関係を作る立場として振る舞うと、組織の雰囲気も明るくなってくるのではないでしょうか。ぜひお試しください。

それでは今日はこの辺で。

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