大学の教員組織について

大学の教員組織について

こんにちは、きっかわです。この記事では現役大学職員が、教員組織について説明します。

 

医学部など医療系の学部では講座制を敷いています。『医龍』のような極端な感じではないですが、教員間の役職や年次による序列は垣間見えます。若い教員は小間使いになることが多いようです。もちろん文化や指導教員の性格によって異なります。

 

大学から研究費を配分されて、研究を行っています。理系の教員は数百万円単位で出費がある研究なのですが、大学の財源には限界があります。学費は研究費だけでなく人件費にも消化されますので、研究費に十分な捻出を出来ない大学が大半です。

 

そこで教員は自らの研究内容を民間財団や国の助成機関に申請をして研究費を獲得するわけですが、こちらについては別の記事で紹介します。

 

教員の仕事は、教育と研究の二本柱です。全教員が5:5の割合で力を注げればベストですが、当然ながら教員も十人十色です。教育が上手な教員がいて、研究が得意な教員がいます。そしてその2人は年齢を重ねて、やがて教授になります。

 

そこで学校教育法93条に定める教授会が開催されます。

 

___

第九十三条 大学に、教授会を置く。

 2 教授会は、学長が次に掲げる事項について決定を行うに当たり意見を述べるものとする。

一 学生の入学、卒業及び課程の修了

二 学位の授与

三 前二号に掲げるもののほか、教育研究に関する重要な事項で、教授会の意見を聴くことが必要なものとして学長が定めるもの

 3 教授会は、前項に規定するもののほか、学長及び学部長その他の教授会が置かれる組織の長(以下この項において「学長等」という。)がつかさどる教育研究に関する事項について審議し、及び学長等の求めに応じ、意見を述べることができる。

___

 

教授2名が参加し、議案を進める際に、果たして意見の統一は出来るでしょうか。

 

なかなか難しいですよね。なので、教授会をはじめとした多くの会議は、議題があらかじめ決められています。会議が議論の場となることは少なく、担当が紙の資料を説明して、承認されることが多いです。事務職員の役割は教員が説明しやすい資料を準備したり、会議の場で助け舟を出したり、このあたりは腕の見せ所です。

 

ところで、大学は委員会や会議がとても多い職場です。大学主導プロジェクトや補助金獲得プロジェクトにおいて都度委員会が組成され、会議が行われます。会議の重要さ、優先度を棚に上げて、とにかく合議が求められる組織です。会議が多い部署に配属された際は、まず基本を覚えて、その後、簡略化できることはどんどん進めていくと、仕事ができると評価されていくと思います。間違っても会議をすることが仕事にならぬよう、日々の改善を行っていきましょう。

 

まとめ

・教員といっても得意分野は様々。教員間で関わりがないことも多い。

・大学の研究費は潤沢ではなく、外部機関の助成を頼ることが恒常化。

・教授会のスムーズな運営は事務の腕の見せ所。でも会議屋さんにならないよう注意。

人事組織カテゴリの最新記事