こんにちは、きっかわです。今回は仕事をしている中でどのようにミスを防ぐことが出来るかという点について、紹介します。
私は大学事務職員という仕事柄、書類作成の業務がとても多いです。前例踏襲タイプの書類ならマニュアルに沿って作るだけなので大きな失敗はありません。ただ、その中には稀に、マニュアル化されたワークフローがミスを生みやすいものになっていることがあります。
例えば、進級に関わる成績資料をエクセルファイルで作るとします。
1.成績システムから条件を選択、抽出する。
2.抽出したデータAを前年度成績資料エクセルファイル Bにコピペする。
といった工程で資料は完成、と仮定します。皆さんは「この作業、危ないな」と感じることはできるでしょうか。
工程2がリスクいっぱいです。
データAをファイルBにコピペするということは、多くの項目を並び替えしなければならないはずです。コピー項目が1列ずれていたら?AとBで学生番号と氏名のペアが異なっていたら?
仮にミスなく資料を作れたとしても、ミスを回避するためのチェック時間を取らなければならないはずです。
文字の小さい資料を、若くはない職員がメガネを外して、ミスがないか血眼になってチェックしている姿を職場で見かけたことはないでしょうか。
「前からこう資料作成しているから仕方ない」という方もいらっしゃるでしょう。最初の一回は前任者のやり方を踏襲する形でOKです。でも二度目からは「この工程でミスが発生しやすいから、工程を無くしたり別の方法で作れないかな」と考える必要があります。これがまさにカイゼンです。
私は「事務職員は工場の生産ライン仕事に似ているな」と日々、感じています。製品不良=資料のミスと考えています。不良を減らすためには作業工程を改善するのが近道です。だから、事務職員は事務作業工程を常に改善すべきと考えています。
ちなみに「工程を無くしたり別の方法で作れないかな」という考え方は、生産管理用語でECRSの法則と呼びます。ググってみてください。
そして今回、もう一つご紹介したいのが、「ミスは起こるもの」として業務設計を行うことの大切さです。
IT用語として使われることが多いのですが、「フェイルセーフ」という概念があります。簡単にいうと「システムに不具合が起こっても部分的に機能して安全に稼働するよ」という意味です。
https://www.itmedia.co.jp/im/articles/0812/23/news010.html
引用:ITメディアエンタープライズ
これは事務仕事に流用することができます。すなわち「この書類のここの数字は間違っているけど、成績資料として進級や順位を判定するのには影響がないよ」という作り方を確立させるべき、ということです。
事例の工程で言うと、データAをファイルBにコピペするときに、選択範囲をミスして学生の成績がごっちゃになっちゃうことがあります。このミスは、成績資料全体に影響を及ぼしてしまいます。なので、ワークフローとして美しいものではないということになります。
では、どうすれば良いか。それは工程そのものを変えてしまうことが正しい答えです。
・データAをそのまま会議資料として使う
・ファイルBへのコピペはシートの全選択もしくは数値部分一括での範囲選択を行う
等によりミスの影響をできる限り小さくしていきます。
これは1つの仕事の1つの例ですが、この意識を重要な業務に割り振れていると、「あいつはミスがない職員だ、丁寧な仕事をする」という組織内での評価につながっていきます。何より、やり直しの回数が減るので、業務時間が短くなり早く退勤できます。
一見、事務仕事とは関係がない、生産管理用語やIT用語を交えて、ミスをしない仕事の取り組み方について紹介しました。ぜひ皆さんの職場でも取り入れてみてください。
それでは今日はこの辺で。